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赤ワインで夜型生活を改善 仲條拓躬

2025/03/28 (Fri) 18:23:47


赤ワインに豊富に含まれる抗酸化物質として知られるポリフェノールの一種、レスベラトロールは、赤ワインを飲む地域の人は寿命が長いということから研究されるようになっています。酒飲みが長寿であるといったフレンチパラドックスでも知られています。

レスベラトロールは、長寿にかかわっていることが知られているサーチュイン遺伝子を増やす働きがあります。サーチュイン遺伝子は体内時計に作用して、その効果を発揮している可能性があると思われました。

そこで、研究者はパッションフルーツに含まれ、レスベラトロールと構造式が似ているピセタノールという物質が、体内時計に及ぼす作用を調べました。その結果、高脂肪食を投与することで体内時計が遅れるように操作したモデルマウスに対して、ピセタノールはこの遅れを阻止できるということがわかったのです。

ピセタノールは抗肥満効果があることはすでに知られていることから、ヒト社会に応用すると、脂肪摂取が多くて夜型指向になっている人に対して、体内時計を改善させながら肥満も抑えていくという食品素材になることが期待できそうです。

大腸まで到達した水溶性食物繊維は腸内細菌によって発酵分解を受け、その代謝物として短鎖脂肪酸が産生されます。我々は、短鎖脂肪酸が末梢時計の位相調節に働くことを見出しました。なお、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸には、酢酸、酪酸、プロピオン酸があります。乳酸も腸内細菌で産生されますが、厳密には短鎖脂肪酸には含めません。

短鎖脂肪酸のなかでも酪酸やプロピオン酸が、GLP-1の血中への分泌を促進し、膵臓の細胞に存在する受容体に結合してインスリン分泌を促進し、時計遺伝子を同調させます。また、水溶性食物繊維として、難消化性コーンスターチや、ユーグレナといったものを使った研究を行いました。

これらにはパラミロンという多糖類の食物繊維が豊富に含まれるのですが、それによって産生された短鎖脂肪酸と、肝臓や大腸の時計遺伝子発現量の相関性を調べたところ、これらの食物繊維を摂取すると、ある時計遺伝子の発現が一過性に低下する事がわかりました。

その作用によって同調作用を引き起こす可能性があるということになり、したがって、朝食に食物繊維が豊富な朝食を摂ることは、末梢時計をリセットすると考えると筋が通ります。

魚油に含まれているドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic acid:DHA)やエイコサペンタエン酸 (Eicosapentaenoic acid EPA)といった不飽和脂肪酸も、体内時計の位相調節作用を持っています。

では、先に述べた水溶性食物繊維や、魚油を単独に摂取することによって体内時計はリセットされるでしょうか。結果は、単独に与えても体内時計のリセットは起こらなかったのです。

つまり、デンプン質や糖を摂取しインスリンが上がりやすい状態にすることによって、GLP-1を介したインスリンの分泌の増強が現れて初めて、効果を生み出すことがわかったのです。すなわち、ご飯を食べるときに、魚や水溶性食物繊維を同時に摂ることが重要なのです。

したがって、朝、ご飯などの炭水化物と魚を一緒に摂ると、GLP-1の働きによって、朝ごはんの炭水化物量が少なめでも、末梢体内時計の同調が効果的になります。この研究では、他の脂質成分の関与の可能性も調べられましたが、動物性脂質、バターなどの乳脂肪、大豆・ゴマなどの植物油には、DHAやEPAのような作用は見られませんでした。

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