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あだ名は差別なのか

1:仲條拓躬:

2024/03/28 (Thu) 18:37:27


福岡県筑前町の中学2年が、遺書を残して自殺した問題で、担任教諭が生徒に対して、不適切な言動を繰り返していたことがわかった。生徒がインターネットのエロサイトを繰り返し見ていると母親が教諭に相談したら、その相談内容を同級生らに漏らし、あだ名を付けられた。さらに教諭は生徒に偽善者や嘘をつく子という申し送りしていたと言います。

クラスメイトを呼び捨てやあだ名で呼ばず、「さん」付けで呼ぶよう指導する小学校が増えているというニュースが2022年5月にありました。企業の人権問題の会議でも「さん」付けで呼ぶようにとの指導があるのですが、ジャニーズの影響で浸透していません。

その理由が身体的特徴を揶揄するようなあだ名はいじめにつながるケースがあるからだと聞いて考えさせられました。たしかに太った子に「ブタ」、眉毛の濃い子に「ゲジゲジ」、鼻の低い子に「平面ちゃん」は本人が傷つくかもしれません。しかし、足の速い子が「チーター」、料理の得意な子が「シェフ」など呼ばれてうれしいあだ名もあります。

肝心なのは「他人の嫌がることをしてはいけない」と教えることで、その可能性があるから「一律禁止にしてしまえ」は怠慢以外のなにものでもありません。同窓会に行ってもどこの誰だったかわからない人が多くなりました。しかし、名前は忘れてもあだ名は覚えているもので、それをきっかけに思い出し瞬時にその時代に戻ることができます。

そんなあだ名がダメだなんて、今の子供たちが思い出さえも作らせてもらえないとしたら不憫でなりません。もっとも、子供のことですからそんな心配をよそに、いかに禁止したところで先生の見ていないところでは平気であだ名で呼び合うのかもしれません。

「さん」付けで呼ぶことを推奨しているのは学校だけではありません。社長、部長、課長など役職で呼ぶことが当たり前だった会社でも最近は「さん」付けに変えているところが増えているようです。その理由を役職で呼ぶことにより権威がちらつき、考えていることを率直に言えなくて風通しが悪くなるからだといいます。

これからの時代、閉塞感のある会社は生き残れないからとしています。一見もっともらしい理由ですが、そこまで言うなら役職そのものを廃止すればいいものを、それはそのまま残し呼ぶときだけ「さん」付けにすることでどこまで効果があるのでしょうか。

昔の話ですが私が子どもの頃は、足の悪い友達も「びっこ」こっちだぁぞーといって、鬼ごっこをやっていた。冒険するときも「びっこ」そっちは危ないぞと言っては自然と仲間が手助けしていた。そうやって私たちは何の意識もせずに遊んでいた。今でも大切な友達です。それが差別だというならば、それでもよい。

だが、現在は大人が変な意識を埋め込みすぎるので子供達は、障害者に近づかないようにしているのも事実です。遊んでいる姿を見ると足の悪い子どもはいつもポツンと一人でいる。仲間に入りたそうに見えるのです。

ともかく、この差別用語狩りも、何度も反省の声が出ているのですが、結論は、妥協的な良識論に落ち着くのです。行き過ぎはまずいと思うのですが、今、私が話した子どもの頃の出来事は、実際には、怒られるのです。恩をあだ名で返す。

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